the cockpit

the cockpitは第二次世界大戦の戦場を描いた三話の短編からなるアニメーション作品。原作は松本零士氏(1993年/日本)

僕が中学生の頃、冬休みにテレビで放映されて以来、それをビデオテープに録画して、ビデオからDVDに移り変わった時にはDVDにダビングして見続けているお気に入りの作品です。

一話目の「成層圏気流」はドイツが密かに開発していた核弾頭の護衛を命じられたパイロットの葛藤を描いています。

パイロットのエアハルト・フォン・ラインダースは思春期をともに過ごし恋仲であったメルヘンナーとその父のバフスタイン教授が研究し作り上げた核弾頭の護衛を命じられるが、メルヘンナーに出発の間近に「これを人類の頭上に落としたものは血も涙もない鬼として歴史に記憶されるでしょう…永久に」「私も父もどうすることもできず悪魔に手を貸してしまった」「これがロケット発射場につかなければいい」「私たちを悪魔の虜から救い出して」と懇願される。

ラインダースは無理だと断るが…

その時代、その時の人々の常識が正しいとした道と、自分の心がその道は間違っていてほんとは、別に正しい道があるとしてもこのラインダースのような選択を果たしてできるのか!?僕はその道を選べる確信はもてませんが、そうでありたいと思う心は持ち合わせていたいと思います。



その時以来、私は永久に卑怯者の烙印を押された

卑怯な振る舞いを二度も空中で犯した哀れな戦闘機パイロットとして

だが汚名は甘んじて受けよう

後悔はしていない

私はエアハルト・フォン・ラインダース
悪魔に魂を売らなかった男だ

最後のセリフは何回聞いてもその度に涙します。


二話目の「音速雷撃隊」は日本が太平洋戦争末期に作った人間爆弾、ロケット特攻機「桜花」の搭乗員の物語です。

「桜花」は一式陸上攻撃機に吊るされ、敵艦隊近くで切り離される爆弾です。

搭乗員が自らの命のを犠牲にして敵艦隊まで誘導し体当たり攻撃するのですが、桜花は航続距離が短く敵艦隊まで近づかないと発射しても届かない欠点があり、また桜花を搭載した一式陸上攻撃機はその重量のため速度を得られず、低速の爆撃機で多くのアメリカ軍の戦闘機が厳重警戒する領域を突破しなくてはならないという困難な作戦でした。

起死回生の一撃のために何人もの男たちが命をかけ、ようやく敵艦隊を目視したが、その艦隊の数の多さに僕は子供ながらに起死回生にはならないと解り、戦争の虚しさを感じました。

しかしながらその状況でも迷いなく突っ込んでいった主人公が乗る桜花のスピードは米艦隊の弾幕の速度も凌駕していて感動と悲しさの狭間にある複雑な気持ちからこちらも涙なしでは見れない物語となっております。







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