米津玄師, 宇多田ヒカル Kenshi Yonezu, Hikaru Utada – JANE DOE



中二の娘が春頃頻繁に口ずさんでいたこの楽曲。劇場版『チェンソーマン レゼ篇』のテーマソングだったようです。


劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の物語と、米津玄師が書き下ろした「JANE DOE」の歌詞。この二つを照らし合わせると、デンジとレゼのあまりにも切なく儚い関係性が、極めて緻密な比喩表現によって描き出されていることが分かります。


「錆びたプールに 放たれてく金魚」
二人の距離が急速に縮まる象徴的な舞台である「夜の学校のプール」。雨の降るプールで泳ぐシーンは作中屈指のロマンチックな場面ですが、歌詞ではあえて「錆びたプール」と表現されています。モルモットのように実験施設で育てられ、自由に見えても狭い世界に閉じ込められていたレゼの暗い境遇と、そこに放たれた二人の儚い境界線を象徴しています。


「靴箱の中 隠したリンゴ」
リンゴは古くから「禁断の果実」や「誘惑」の象徴です。ソ連の秘密施設で暗殺者として育てられ、偽りの日常を演じてデンジに近づいたレゼ。靴箱という日常の隙間に隠されたリンゴは、彼女が胸に秘めていた「偽りの好意」と「デンジを破滅へ導く誘惑」そのものを指していると考えられます。


といった具合にデンジとレゼの「すれ違いの運命」をなぞるような構成のこの曲。耳に残りましたのでメモさせていただきます。


ありがとうございました。