envyは日本のハードコアバンド…いや彼らをジャンルの枠でくくることはもはや無用なのかもしれません。
あれは忘れもしない27歳の誕生日前夜、ZEPP札幌でenvyのライブを見ていました。
27歳ともなると、とっくのとうに夢見る学生気分も抜け落ち社会の厳しさに平伏し、打ちのめされていました。
希望や生きがいが何もなくなってしまってお先真っ暗、何を目指しどこにいけばよいのか完全に見失い途方にくれる日々。
そんな時、深層心理を見透かされたようなこの歌詞に陶酔し、ひとり北海道まで追いかけていったわけです。
この時のenvyのライブの光景は未だに忘れることはできません。
「HOPE」
忘れかけた希望の光。根拠のない希望でしたがステージ上に紛れもないその光を感じました。
成功と挫折、希望と失望、強さと弱さ、対極に常に位置する光と影。
そのネガティブな部分の存在を否定しなくても良い、そのネガティブな部分にも居場所があってもいいのではないか?
人生とは挫折の繰り返し、失望し、自分の弱さと向き合う。
トントン拍子に進むことなどほとんどなく、むしろそのネガティブな部分と対峙することのほうが多いのではないか?
誰しも大なり小なりそうして苦悩していく……
ネガティブを受け入れ少し肩の荷が降ろそう…
そんなことを考えるようになったきっかけとなるこの「堕ちてカゴへ」。
先の見通しが立たない不安が渦巻く今再び耳にして、あの時と同じように根拠のない希望を感じています。
